先日、「松代象山地下壕(まつしろぞうざんちかごう)」へ足を運んでまいりました。ここは第二次世界大戦の末期、本土決戦に備えて極秘裏に建設が進められた巨大な地下壕です。
当時の人々が血のにじむような努力をして掘り進めたにもかかわらず、結局は一度も本来の目的で使用されることなく、終戦とともに忘れ去られてしまった軍事施設。冷たく薄暗い壕内を歩きながら、私は深く考えさせられました。
これほどまでの巨大な空間を掘り進める中で、過酷な環境に耐えきれず命を落とした方もいたのではないかと思います。「彼らは一体、何のためにここで働き続けていたのか」——そう想像すると、心が締め付けられるような、非常に痛ましい気持ちになりました。
私自身、日々の営みの中で「仕事とは、誰かの困りごとを解決し、その感謝の代わりとして報酬を得ること」だと考えています。 お客様の悩みを解消し、「ありがとう」と言っていただけるからこそ、そこに喜びとやりがいが生まれます。
この地下壕の建設において、強制労働の明確な記録はないようですが、佐渡金山などにも見られるように、かつての日本には現代の常識では計り知れないほど過酷すぎる労働環境が存在していました。「誰かの喜びや感謝」に直結するわけでもない極限の環境下で働くことは、どれほどの苦労だったことでしょう。もう少し、労働環境のあり方を考える余地があったのではないかと思わずにはいられません。
しかし、私はこの場所を訪れて、過去の歴史や当時の体制をただ批判したいわけではありません。大切なのは、そこから私たちが何を学ぶかです。
今の時代に生きる私たちは、当時の歴史から学び、「これからはお互いが良くなる世の中」を作っていく責任があります。過去を憂うだけでなく、そのために私自身が、今の場所でほんの少しだけ頑張っていこう。静かな地下壕の中で、そう心に誓いました。
私たちが今、自由に働き、誰かの役に立ち、感謝される喜びを感じられるのは、決して当たり前のことではなく、名もなき先人たちの歴史と犠牲の上に成り立っています。
先人たちへの深い感謝を胸に、今日もまた目の前の「誰かの困りごと」に真摯に向き合っていきたいと思います。今日も素晴らしい日になりますように。